こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

NY心霊捜査官

otello2014-09-23

NY心霊捜査官 Deliver Us From Evil

監督 スコット・デリクソン
出演 エリック・バナ/エドガー・ラミレス/オリビア・マン/クリス・コイ/ドリアン・ミシック/ショーン・ハリス
ナンバー 221
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

赤ちゃんの遺棄死体、妻を殴る男、子供を投げ捨てる母親、地下室の雑音…。街をパトロールする主人公が扱うのは、とても人間の仕業とは思えないような狂気の出来事。霊感を持つ彼は、それらの背後に邪悪な気配を感じつつも現実的に振る舞おうとする。だが、何度も目にする呪いの文字と家族にまで迫った魔の手に、悪魔の存在を認めざるを得なくなる。物語は、イラク戦争作戦行動中に心を蝕まれた元兵士たちが起こす奇妙な事件を捜査する刑事が、エクソシストと協力してその根源となる悪魔と対決するする姿を描く。謎を解きつつ超常現象とも向き合う刑事ドラマとオカルトの組み合わせはユニークで、あくまで実話に基づいたという設定の下、特撮やCGに頼らないリアルな映像が生理的な不快感に訴える。

女が子供をライオンの檻に投げたと通報を受けたサーキ刑事は、現場で不気味な顔をした塗装業者・ミックを目撃する。ほぼ同時に起きたDVや自殺死体もミックの関連が疑われ、サーキはミックの行方を探す。

その後、女の保護司を名乗るメンドーサ神父がサーキを訪ね、精神病棟に監禁されている彼女に会わせる。完全に正気を失っている女にサーキのアンテナが反応する。その後もミック追跡の過程でサーキが遭遇するのは、理性を狂わせようとするものばかり。サーキは腕利きの悪魔祓い師でもあるメンドーサの言葉に徐々に説得される。さらにサーキのトラウマにも悪魔は触手を伸ばし、彼を精神的に追い詰めていく。恐怖や後悔、怒りや憎しみといった感情に悪魔は種をまき育てようとするのだ。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

このあたり、怪現象の背景にある動機がただただ人間社会に混乱をもたらすことが目的。その“悪魔の論理”が理解不能であるため、次に何が起きるのか全く予想ができない。結局“憑依”は、神や悪魔を強く信じる者の身の上にだけ降りかかるのだろう。刑事事件とは考えられない通報まで捜査対象にする、つくづくニューヨーク市警は大変な職場だな。。。

オススメ度 ★★*

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