こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ワイルド・スピード SKY MISSION

otello2015-04-21

ワイルド・スピード SKY MISSION FAST & FURIOUS 7

監督 ジェームズ・ワン
出演 ヴィン・ディーゼル/ポール・ウォーカー/ドゥエイン・ジョンソン/ミシェル・ロドリゲス/ジョーダナ・ブリュースター/ジェイソン・ステイサム/トニー・ジャー/ナタリー・エマニュエル/カート・ラッセル
ナンバー 92
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

地上からは接近不可能な峠の一本道に輸送機からパラシュート降下したクルマが次々と着陸、テロリストの車列に奇襲を仕掛ける。もはや荒唐無稽としか言いようがない、にもかかわらず、落下の浮遊感と道路を爆走するスピード、低木をなぎ倒して垂直に近い崖を下る衝撃と疾走するクルマからクルマに飛び移る緊迫感、それら危機また危機を体感させてくれる映像の波状攻撃には、アドレナリンの興奮を通り越してエンドルフィンの恍惚さえ覚える。物語は殺し屋に狙われる主人公たちのグループが政府機関と手を組み、テロリストと戦う姿を追う。大量の銃弾・爆弾が飛び交う攻防は細かいショットで臨場感を持たせ、トニー・ジャーの投入で格闘シーンも洗練され、もちろんカーアクションも新アイデア満載。“これぞ娯楽映画”というべきサービス精神あふれる作品だった。

ホブス捜査官のオフィスに侵入したデッカードは機密情報を盗み、ドムたちに復讐を始める。一方で特殊部隊の全面協力を得たドムたちは、全世界監視システムの独占を企むテロリストのもとに人質の救出に向かう。

結婚し子供もできたブライアンも当然チームに加わる。幸せな日常を満喫していても危険に血をたぎらせる感覚が忘れられない。そんなスリルジャンキーとなったブライアンが家族と仲間のはざまで揺れ、結局はドムのミッションに身を投じる。愛よりも友情を優先し、信念に命を賭ける男と女の美学が徹底したオプティミズムで描かれる。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

そして決着をつけるべく、ドムたちは地元LAにデッカードとテロリストを誘い出す。タイマンに臨むドムとデッカード、テロリストグループを迎え撃つブライアンと仲間。戦闘ヘリから無人機まで動員した市街戦は戦争映画さながらの破壊を繰り返す。目くるめく展開を最後まで引っ張り続けるパワーに、しばし瞬きを忘れてしまった。まあ、ドムやブライアンが加速とステアリング捌きの快感に心身を浸していた初期のころが懐かしくもあるのだが。。。

オススメ度 ★★★*

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