こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ

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父の仇を探して20年の歳月が流れた。地下格闘技の世界では名の知られた存在になった。裏社会とのつながりで復讐のめどがついた。物語は、LAの格闘家が日本のヤクザにスカウトされ、忍者一族の跡目争いに巻き込まれる姿を描く。命がけで助けた男は忍者の血を引いていた。巨大な組織の後継者だった。友情をはぐくみ試練を乗り越えるうちに信頼関係を築いたはずだった。だがそこで待ち構えるのは裏切りと嘘、予想もしないどんでん返し。富士山近くの東京の空港、巨大な城郭に住む忍者一族、和室のベッド、セキュリティの甘い宝玉、褌を締めたまま入る銭湯、ヒュンダイ製のクルマetc. 次から次へと繰り出される “これはやったらアカンやつ” 的なシーンの連続はもはや開いた口が塞がらない。ツッコミどころ満載の映像は、逆にカルト映画となる予感さえ漂わせている。

鷹村に殺されそうになったトミーを救ったスネークアイズは、嵐影派の食客に迎え入れられる。そこでスネークアイズは、組織の一員としての適性を見るために3つの試練を課される。

格闘技の達人相手に水を入れたどんぶりを奪い合う第1の試練は禅問答のようで気が利いている。だが、それ以後は中途半端で、大きな穴での第3の試練には思わず吹き出してしまった。また、スネークアイズが情報を欲しがっている宝玉について、なぜかトミーは部外秘の機密までペラペラしゃべってしまう。その後も、張りぼて張りぼてを重ねたような安っぽい展開が繰り返さる。こんな企画にゴーサインを出したプロデューサーの勇気に感服した。ヒューンと加速する電動バイクだけは非常にクールだったが。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

その後も敵味方離合集散を繰り返し、結局スネークアイズたちは鷹村1人相手に戦う展開になる。鷹村は宝玉のパワーを利用して圧倒的な戦闘能力を見せるが、まあ、予想通りの最期を迎える。そのあともなんかごちゃごちゃしていて、結局、対テロ組織・GI派とテロリスト集団・コブラ派に分かれる。今後の伏線が張ってあるが、続編はあるのだろうか。

監督     ロベルト・シュベンケ
出演     ヘンリー・ゴールディング/アンドリュー・小路/ウルスラ・コルベロ/イコ・ウワイス/ピーター・メンサー/サマラ・ウィービング/ 平岳大/安部春香/石田えり
ナンバー     193
オススメ度     ★★


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