こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

極主夫道 ザ・シネマ

料理に弁当作り、掃除にゴキブリ退治、スーパーへの買い出しまで完璧にこなす男。色鮮やかな刺青を背負い上半身はバッキバキに鍛え上げ、身体能力は恐ろしく高い。特に町内会費の集金でみかじめ料を要求するような口上で近隣を回り、500円だけ徴収するオチは気が利いていた。物語は、元極道が家族のために奮闘する姿を描く。足を洗ったとはいえ、仁義を重んじる気持ちは1ミリも衰えていない。弱い者から奪おうとする奴は許せない。妻から暴力は絶対にダメと念を押される中、人脈と知恵を絞って小さな保育園を狙う地上げ屋を撃退する心意気は、愛情あふれる父親そのもの。周囲の人間が大げさなリアクションをする中で、ひとり大阪弁で硬派を貫く彼の背中は、守るべきものを持つ男の責任と矜持が凝縮されていた。

専業主婦として妻子と暮らす龍は多忙な毎日を送っている。ある日、玄関前にベビーカーに乗った幼児が放置されているのを発見、妻・美久と相談の上、自分たちで面倒を見ることにする。

リュウと名付けられた男の子はさっそく近所の保育園に預けられるが、共働きでもないのにあっさり入園が認められる。なぜならその保育園は地上げ屋に狙われていて、チンピラが周囲をうろついては嫌がらせを繰り返しているから。リュウを送り迎えしながら保育園の用心棒的な存在になっていく龍はいつしか園長に頼られる存在になっている。舎弟やかつての知り合いにも加勢を頼みチンピラたちを追い払っていく過程で、笑いを取るために大ボケをかましまくるのだが、そのテンションについていけなかった。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

ところがリュウと娘が狙われたことから事態は急展開、派手なカーアクションを繰り広げた後に意外な真相にたどり着く。ただ、少しずつこの作品の世界観に慣れてくるとひとつひとつのギャグがキメ台詞のように思えてくる。とくに、クッキー!扮する武器商人が使い方を説明するシーンは不条理を笑いに昇華していた。地上げ屋との最終決戦は境内での撮影許可が出なかったのだろうか。。。

監督     瑠東東一郎
出演     玉木宏/川口春奈/志尊淳/古川雄大/玉城ティナ/MEGUMI/白鳥玉季/くっきー!/滝藤賢一/稲森いずみ/竹中直人/吉田鋼太郎/松本まりか/安達祐実
ナンバー     103
オススメ度     ★★*


↓公式サイト↓
https://www.gokushufudo-movie.jp/