こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

DOA

otello2007-02-17

DOA DEAD OR ALIVE


ポイント ★*
DATE 06/11/20
THEATER UIP
監督 コーリー・ユン
ナンバー 201
出演 ジェイミー・プレスリー/ホリー・ヴァランス/サラ・カーター/デヴォン青木
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています


格闘ゲームのキャラを実写化したヴィジュアルは、ゲームセンターにいるような錯覚に陥る。パワーよりスピード重視の女性格闘家、力任せに破壊を繰り返す男性格闘家。一応脚本は用意されているのだが、登場人物はそんなものを当然無視してひたすら暴れまわる。しかし、動きの派手さを追求するあまり、打撃系格闘技に偏り、女忍者が使う武術はあくまで外伝的な要素。主人公がセクシーな筋肉系美女という以外に見るべきところはなく、スクリーンでは単調な闘いが繰り広げられる。


総合格闘技トーナメントへの招待状を受け取った忍者のカスミ、プロレスラーのティナ、泥棒のクリスティー。彼女たちは東シナ海に浮かぶ孤島でそれぞれの対戦相手と闘う。しかし、主催者のドノヴァンは出場者のデータを集めてデータベース化し、最強のファイターを作ろうとしていた。


ここで繰り広げられるのはあくまで格闘ゲームに過ぎない。一応ワイヤアクションを使って動きに幅を持たせているが、独創性とは程遠くありふれた動きでしかない。展開も稚拙で、この程度の映像と物語の展開ならば、わざわざ映画にするほどのものでもなかろう。もともとのゲームのファンならお気に入りのキャラをどんな俳優が演じるか興味があるだろうが、登場するのはほとんど無名の俳優。唯一日本で有名なケイン・コスギも、映画俳優としてではなく、筋肉番付とファイト一発で顔が売れているというだけ。チープな匂いがプンプンする。


やはり試合シーンをメインにするのなら、それなりに技を極めた俳優に演じてもらいたかった。格闘シーンのリアリティこそこの類の映画の命なのに、よって立つべき根本がコンピュータゲームではそれは無理な望み。物語のテンポが速く、上映時間が短かったことがこの作品の数少ない長所だった。


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