2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧
オペラハウスの客席に集まった大勢のファンの前で話を始める年老いたフィルムメーカー。1950年代から常に時流の先端を走っていた彼女の作品は後に続く者たちに大いなる影響をもたらした。いまだ滑舌は衰えず記憶も鮮明、自分が企画し監督した映画について語…
安全な避難所での暮らしは快適だけれど退屈。うろつくゾンビたちに銃をぶっ放したい衝動が日々抑えられなくなっていった彼らは、よりハードな刺激を求めて踏み出す。物語は、突然離脱した家族同然の姉妹を探すおっさんと若者が、さまざまなゾンビと倒しなが…
もっと思い通りに生きたい。もっと世間に認められたい。なによりセックスを体験したい。だが、彼女は車椅子がなければどこにも行けない体。物語は、身体障害を抱えながらも自立しようとする女の姿を通じて、人生の意義を問う。両脚の感覚はない。左手にも少…
開城か籠城か、討ち入りかお家再興か。侃侃諤諤の議論を交わす武官に対しこれからの生活もろもろを憂える文官たち。何をするにもしないにも先立つものはカネ。映画は、忠臣蔵の一部始終を財務面から考察する。理不尽な沙汰に血気逸る武闘派、武士のプライド…
大ぶりのトートバッグを肩にかけ、荷物を詰め込んだキャリーバッグを引っ張る女。タクシーを借り切り電車を乗り継ぎ飛行機で移動、政権批判のネタを見つけては日本全国を飛び回り、取材で集めた事実や証言を記者会見で官房長官にぶつけていく。カメラはそん…
やっと安寧を手に入れたと思ったのに、不思議な声が心を騒めかせる。何かを伝えようとしているようでもあり、どこかに誘っているようでもあり、彼女はたまらず導かれていく。物語は、手に触れた世界を凍らせる魔法を持つ女王がそのパワーの出自を探る旅を描…
口八丁手八丁、二束三文のガラクタを高値で売り、珍品逸品は安値で買いたたく。だが、素人相手なら通じる手口も、同業者には通じないどころか逆に足を掬われかねない。物語は、相変わらず冴えない古物商と売れない陶芸家が、今度はシングルマザーと手を組ん…
好景気に浮かれていた。先進国に近づいたと無邪気に喜んでいた。だが実質は外貨準備高が目減りし中小企業の給料遅配が表面化している。なのに政治は手をこまねいているばかり。物語は1997年に韓国を襲った金融危機を、役人・投資家・町工場経営者の視点から…
22人のダンサーが激しくしなやかに踊り狂う。狂乱の中の美しさ、スピーディかつキレキレの動きは人生の喜怒哀楽を表現する。骨が抜けたかのような柔らかな手足の使い方をする一方、全身にバネが入っているかのように感覚に身を委ね飛び跳ねる彼らの身体能力…
鳥の群れのように散開した数十機のドローンが体当たり攻撃を仕掛けてくる。顔認証機能でターゲットを見定めピンポイントで自爆、警備員たちはなす術もなく爆殺されていく。最新のAI技術を駆使した大統領襲撃シーンは近未来の戦場を見ているようだった。物語…
利発で素直だったひとり息子の言葉遣いが突然乱暴になり、態度が暴力的になる。単なる反抗期なのか別に原因があるのか。物語は、思春期を迎えた養子の異変に気付いた両親が彼の暴走を防ごうと奮闘する姿を追う。息子が普通でないと初めから知っていた。だが…
ビジネスで大成功した。TV局も買収し大衆も洗脳した。そして、国家の最高権力者にまで上り詰めた。物語は、スキャンダルまみれだったイタリア元首相の奔放な私生活を再現する。権謀術数に長け、政敵はなだめすかしひとりずつ取り込んでいく。言葉巧みに人心…
狂言かいたずらに決まっている。でも、もし本当だったら寝覚めが悪い。メッセージを見てしまった女優は見知らぬ送り主を探して因習が残る山間部の村に向かう。物語は、芸能界へ進む夢が破れた少女からの遺書動画の真偽を確認するスター女優の心の彷徨を描く…
“50代は人生の絶頂期” そう宣言する2人のオッサンは南欧の名物料理を満喫する。物語は食レポ取材のためにスペインに渡った脚本家と彼に同行する俳優のクルマ旅を追う。英国からフェリーに乗り2人だけのドライブを続ける。観光名所のみならず道中目についたマ…
失くした人はきっと困っているだろう。親切心から地下鉄内で拾ったバッグを持ち主に届けると、相手はとても感じのいいおばさんだった。物語は、母を亡くしたばかりのヒロインが、娘に先立たれた母親に命を狙われる過程を追う。にぎやかな街で暮らしているか…
命がけの戦いで暗黒の未来を変えたはずだった。なのに、代わりに待っていたのは同じような運命。やっぱり人工知能の反乱で人間が狩られている。物語は、タイムリープしてきた殺人マシーンと、将来の指導者を守ろうとする戦士たちの死闘を描く。打撃銃撃など…
小刻みに揺れ時に横倒しになり、近景にピントが合わず色彩がくすんでいく。頭の中で広がりつつある狂気と妄想を反映させた映像には、主人公の苦悩と葛藤が凝縮されていた。物語は、本人の没後人気を得た画家の晩年を追う。夢破れて移り住んだ農村では変人の…
生徒たちの前では大人として振舞っているけれど、未熟なのは自覚している。それを見透かしたように、問題生徒は気持ちをストレートに押し付けてくる。どうしたらいいのかわからないけれど、授業のような教科書はない。物語はハイスクール演技大会の引率を任…
死ぬはずなのに死ななかった。死にたかったのに死ねなかった。過剰な音の刺激に何をしでかすかわからなかった。物語は、精神科病院患者の日常を通じて命の価値と生きる意味を問う。健常者が住む外の世界にはもう居場所がない。同じような境遇の人々と生活し…
野鳥の数が激減している。通信技術の発達で乱立した電波塔から発せられる電磁波が鳥たちの脳機能に影響を及ぼし、鳥たちから空を飛ぶ自由を奪うのだ。物語は、携帯電話の利用を制限しようと運動を起こすが誰にも相手にされず憤死を遂げた鳥類学者が、社会に…
人が抱く恐怖を餌にパワーを増していく純粋な悪意。何が目的なのか、なぜそこにいるのか。死と絶望にとりつかれた妄想が具現化したような “それ” は再び現れて人々を襲い始める。物語は、27年前に7人の少年少女たちが愛と友情で退治したはずのピエロが再起、…
携帯電話があれば簡単にコンタクトできるはずだった。SNSでつながっていればいつでも会えるはずだった。だが運命はふたりを遠ざけ、引き裂き、別々の道を歩ませてしまう。物語は、人生の半ばを過ぎた男女が互いに強烈に惹かれあいながらもすれ違う姿を描く。…
カモメが翼を広げるようにドアが上方に開き、いつか空を飛ぶことができるようになる。引っ越した先の隣人は、夢のクルマに人生を賭けた男だった。物語は、麻薬密輸で逮捕された男がおとり捜査に協力し、伝説の自動車設計者に濡れ衣を着せようと画策する姿を…
妻の浮気を知ってしまった。不貞を働いたのは彼女なのに、離婚すると財産の半分を分与しなければならない。ならばそのカネを妻への裏切りに使ってしまおう。物語は、1か月の間に108人の女を抱こうと決意した男が湯水のごとく散財しながら性体験を重ねていく…