ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE
監督 佐久間宣行
出演 川島省吾(劇団ひとり)/おぎやはぎ/バナナマン/みひろ/岩井秀人/京本政樹
ナンバー 136
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています
次から次へと繰り出されるセクシー美女の誘惑にどこまで耐えられるか。気は許しても唇を許してはいけない、体が反応しても精神力とウィットで欲望を抑えねばならない。映画はそんな状況に突然放り込まれたコメディアンが様々な危機に対して、機転とアドリブで切り抜けていく姿を追う。大まかな設定だけを決めてあとは主役・劇団ひとり次第、どう転ぶかわからないシチュエーションの中、瞬時に番組の意図を見抜き軌道修正しながらも、“役柄を演じているフリをする”彼の反射神経がすばらしい。いや、もしかしてこれも作り込まれたハプニングなのか?
ロケ先に呼び出された劇団ひとりは「省吾」という記憶喪失のスゴ腕殺し屋の役と、どんなことがあってもキスを我慢する課題を与えられる。その様子はライブ中継され、バナナマン・おぎやはぎら5人の男女がツッコミを入れながら楽しんでいる。
温泉で早速美女たちに囲まれキスをせがまれた省吾は危うく難を逃れ、かつての殺し屋仲間の隠れ家に避難する。そこでも強烈なスキンシップにさらされるが、くさいセリフを吐いてしのぐ。ところがそのあたりから、ゾンビを使って世界征服を企む組織との対決に軸足が移り、ぬるくてチープな省吾のアクションシーンが多くなる。その手作り感をマイクロバスに乗った5人が見守りつつ様々な感想を述べるが、明確で的を射たコメントの数々が仲間内の宴会みたいなノリで非常に愉快。その過程で登場人物の哀しい過去が暴露されたりするが、基本はゆる〜い展開。クライマックスまでキスはお預けなのはわかっている、だがそこに至る先の読めない試練の数々に作り手の意気込みが感じられた。
◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆
恋人のつかさを救出するために省吾はいよいよ敵のアジトに突入、更なる強大な敵を倒して事件の真相に近づいていく。ドラマとバラエティを融合させた深夜テレビの企画、安っぽさを逆手にとってお手軽な笑いに昇華されていた。
オススメ度 ★★*