レアル ザ・ムービー REAL THE MOVIE
ポイント ★★
DATE 06/1/12
THEATER 東芝エンタテインメント
監督 ボルハ・マンソ
ナンバー 6
出演 ジャビエール・アryバーラ/ジェシカ・ボール/マウサ・フェイ/ギレルモ・フェレーラ
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています
相手ディフェンダーの裏をつく寸分狂わぬパス、マジックのような足技で突破するドリブル、ゴールネットに突き刺さる弾丸のようなシュート。老若男女、民族も国籍も問わずサッカーは人々を夢中にさせる。彼らはなぜサッカーに熱狂するのか。レアルの地元・マドリッドの教師や日本の男子高校生が発するその問いに、レアルのスーパースターたちはプレーで答えを出す。ただ、あまりにもレアル中心の描き方のために、クライマックスの試合シーンでは思わずバルセロナのロナウジーニョを応援してしまった。
スペイン最大のサッカー試合、エル・クラシコ(対バルセロナ戦)の練習、ミーティング、調整に余念がないベッカム、ロナウド、ジダン、ラウールらのスターたち。一方でこの試合を楽しみにしている世界中のサッカーファンの日常が描かれる。
どうして日本の若者はこうも馬鹿っぽく描かれるのだろう。ベッカム命の女子高生とそんな彼女に振り回される高校生は、サッカーが人生に色濃く影を落としている他の国の人々と比べあまりにも子供っぽすぎないか。サッカーをしたくてうずうずしているセネガルとベネズエラの子供やNYの女子大生のようにサッカーを愛し、ボールと戯れることが幸せという純粋さが感じられない。60キロ離れた場所まで片道2日かけてサッカーのテレビ中継を見に行くセネガルのオッサンの執念を少しは見習うべきだろう。今が楽しければいいという風潮が東京的ではあるが・・・。
一方で、ドキュメンタリーの部分では、選手個々へのインタビュー、コーチ陣による戦術会議、理論的な練習風景、フィジカル面のトレーニングと一応はフィルムに収めている。しかし、その掘り下げ方が浅く、スターの顔見世レベルに終わっている。また、試合シーンもフィルムの断片をつなぎ合わせただけで、ナレーションもないし盛り上げようとする演出もない。結局、ドキュメンタリー部分もドラマ部分も煮え切らない中途半端な作品になってしまった。