バイオハザード III RESIDENT EVIL:EXTINCTION
ポイント ★★
DATE 07/11/4
THEATER 109KH
監督 ラッセル・マルケイ
ナンバー 223
出演 ミラ・ジョヴォヴィッチ/マイク・エップス/オデット・フェール/アリ・ラーター
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています
荒涼とした砂漠の風景と人工的な地下実験施設。地上はゾンビに支配され、人間は彼らを避けて放浪するか地下にもぐるしかない。さらにゾンビの死肉を食べたカラスにも襲われる。もはや生き残った人類に希望はわずか、そんな中でひとり悪と闘い続けるヒロイン。表現はよりクールに洗練され、ゾンビはより醜く不快になる。そしてサウンドでおどろかせるというお決まりのパターンも踏襲される。しかし、知恵を絞って斬新な映像を見せようとする作り手の熱意は伝わってくるが、所詮はB級ホラーの範疇を出ていない。
バイクに乗り一人旅をするアリスはクレア率いる一団と遭遇、共にゾンビと戦う。そのころ、ゾンビを教化するウイルスを開発中のアイザック博士はアリスの元にパワーアップしたゾンビ軍団を送り込む。
相変わらず噛み付く以外の攻撃力がなく人間に殺しまくられるだけのゾンビ。肉食以外に興味はなく、人間たちは容赦なくゾンビを撃ち、斬り、ひき殺す。攻撃力は小さいが、圧倒的な数で押し寄せるゾンビは標的以外の何物でもない。ひたすら殺し続けることがこの手の映画のお約束なのだが、やはりいくらゾンビ相手でも大殺戮シーンは見ていて気分のいいものではない。それをいまだに喜ぶ観客がいるのだろうか。初めて強力なパワーを持つゾンビが武装集団を追い詰めていくシーンに、むしろゾンビを応援したくなった。
やがて、実験施設に潜入したアリスはゾンビ化しながらも抗体で強化したアイザック博士と一騎打ち。アイザックの圧倒的なパワーに念力で勝負する。このシーンも新鮮味がなく、驚きはない。シリーズのアイデアともいえるレーザールームで決着がつくのも予想できる。ゾンビに知恵を与え労働力として利用する計画が描かれるが、このあたりをもう少し膨らませて、ゾンビの側にも人間に協力するものとしないものの派閥が生まれるくらいのひねりが欲しかった。