スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ
ポイント ★★
DATE 08/8/16
THEATER THYK
監督 デイブ・フィローニ
ナンバー 197
出演
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています
ジェダイの騎士といえば卓越した戦士であるだけでなく、高潔な精神を持つ者の集団のはず。だからこそフォースという一種の超能力やライトセーバーという特別な武器を使うことが許され、兵卒たちの上に立つ高級士官としての地位を与えられているのだと思っていた。しかし、この作品でのオビ=ワン・ケノービは敵の猛攻に形勢不利と見るや降伏を申し出て時間を稼ぎ、味方が敵の拠点を爆破すると一転して条件交渉に出向いた敵将を攻撃するという、完全なだまし討ちを敢行する。彼の行為には完全に幻滅した。
分離主義派との内戦が続く共和国とジェダイ騎士団はジャバ・ザ・ハットと手を組もうとするが、ジャバの息子が何者かに誘拐される。共和国議長の命令でアナキンと見習ジェダイのアソーカが救出に向かうが、分離主義派の指導者ドゥークー伯爵が誘拐はジェダイの仕業とジャバに吹き込む。
アナキンがオビ=ワンのもとを離れ、今度は彼が弟子をとるようになる。「スター・ウォーズ」本編ではまだこの時点ではアナキンは未熟な若者だったが、アソーカにジェダイの心得を教えることで彼自身の成長も期待するというヨーダの深謀遠慮なのだろうか。だが、アソーカというパダワンは自信過剰で謙虚さはかけらもなく、アナキンに「命を守ってやる」とまで言い放つ始末。実際、初めての実戦でも臆することなく戦い抜き、本当にアナキンを救ったりもする。幼少時より異常なほどのフォースを持っていたアナキンをしのぐ大活躍、暗黒面にひきずりこむならアナキンより彼女のほうが絶対に良かった。
結局、二人の活躍でジャバの息子は無事救出、ドゥークーの陰謀を暴くという展開はお約束通り。ただ、今回のアニメで初登場のアソーカやヴェントレスといったキャラ以外は、さんざん実写の映画で見てきたおなじみの登場人物ばかり。いささか荒っぽい直線で表現された彼らの姿や表情は非常に違和感があり、最後までなじめなかった。