大脱出 ESCAPE PLAN
監督 ミカエル・ハフストローム
出演 シルヴェスター・スタローン/アーノルド・シュワルツェネッガー/ジム・カヴィーゼル/カーティス“50セント”ジャクソン/ヴィニー・ジョーンズ/ヴィンセント・ドノフリオ/エイミー・ライアン
ナンバー 8
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています
建物の構造と配置を仔細に検分し、看守の癖と勤務パターンを観察し、施設と警備システムの弱点を探す。主人公は刑務所の警備実態を調査するプロ、セキュリティの盲点を自ら証明する。小道具を手に入れ、脱出経路を特定し、騒動を起こし現場を混乱させたわずかな隙に、独房から姿を消す手並みは鮮やかだ。映画はそんな男が“墓場”と呼ばれる民営監獄に収監され、アイデアと行動力と仲間を得て不可能を可能にする過程を描く。まだまだキレのあるスタローンとやや動きが鈍ったシュワルツェネッガー、60代も半ばの“老人”の域に達したスター2人がいまだに体を張ったアクションに身を投じる姿勢は、もはや「ご立派」と言うしかない。
刑務所査定の専門家・レイはCIAの依頼を受け新型刑務所に連行されるが、上司の裏切りで身分をはく奪され、ひとりの囚人としての服役を余儀なくされる。だが、エミルという政治犯の助力を得て脱獄プランを練る。
アクリル製の監房、仮面をかぶった看守、灼熱地獄の懲罰房など、まったく経験したことのない新たな設備にもひるまず、自分の置かれた環境を冷静に分析するレイ。さっそく懲罰房の床板を外し刑務所の所在地を探る。しかしそこは巨大貨物船を改造した洋上刑務所で、生きて陸地にたどり着くためには大がかりな支援が不可欠。一方で外部への何らかの手がかりを持っているらしいエミルを信じるしかないレイは、貨物船の現在位置に見当をつけ、計画を実行に移す。そのあたり、エミルはミステリアスな男に徹し、シュワルツェネッガーの体力の衰えをカバーする。
◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆
1980〜90年代の全盛期には叶わなかった2人の肉体派スターのほぼ同格の共演がようやく実現した。ところが、スタローンが扮するレイのキャラクターには様々な仕掛けや見せ場があるのに対し、エミル役のシュワルツェネッガーは重機関銃をぶっ放すにとどまる。何より、2人の協力ではなく直接対決が見たかったのだが。。。
オススメ度 ★★*