ラストミッション 3 DAYS TO KILL
監督 マックG
出演 ケビン・コスナー/アンバー・ハード/ヘイリー・スタインフェルド/コニー・ニールセン
ナンバー 84
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています
石畳の入り組んだ道路を疾駆する最新モデルの自動車、由緒ある石造りの建物と共存する斬新なデザインのビル、そして外国人にも広く門戸を開いた町。中世と現代が同居するパリで繰り広げられる家族再生の物語は、不在時間が長かった父の娘への贖罪によってなされるはずだった。だが、父に娘は冷たく、ティーンエイジャーの気持ちが分からない彼は戸惑い、途方に暮れる。映画は引退したCIAエージェントが、娘の歓心を買おうと奮闘するかたわら、再び暴力の現場に引き戻される姿を描く。ブルゾンにジーンズ・マフラーといったラフな着こなしの主人公がシンプルなブラックスーツに着替えると一変して精悍に見える、そんなファッションに対する感性にエスプリを感じる。
腕利き工作員のイーサンは精密検査で余命わずかと宣告される。パリに住む妻子と縒りを戻そうとするが妻は出張、娘のゾーイと2人きりで数日過ごすことになる。彼女との距離を詰める方策を思案しているところに暗殺指令が入る。
緊迫した場面での娘のコール、拷問相手から聞き出した家族の扱い方など、ハードなアクションと父娘の触れ合いを融合させた映像からは緊張感とユーモアがあふれる。いつしかイーサンはテロリストにつながる運転手や会計係に共感を抱き、情をかけるまでになっている。悪党には容赦なく銃弾をぶち込む冷徹な殺し屋である彼が、生身の人間を愛するのは殺すよりも数百倍難しいと今更ながらに学んでいくのだ。銃器や爆発物・格闘技や運転術等の能力は誰にも引けを取らないのに娘には手こずるというキャラクターを、ケビン・コスナーがバタくさく演じていた。
◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆
新薬を餌にイーサンに汚れ仕事をさせるCIA連絡員・ヴィヴィがゴージャスな魅力を放つ。ブロンドのウィッグをなびかせ、スポーツカーを爆走させるだけでなくミステリアスな雰囲気もまとう。テロ組織のボスも用心棒もあまりインパクトがなかったので、彼女に重要な役割を与えていればもっとスリリングになったかもしれない。。。
オススメ度 ★★*