こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ルームメイト

otello2013-10-18

ルームメイト

監督 古澤健
出演 北川景子/深田恭子/高良健吾/尾上寛之/大塚千弘
ナンバー 234
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

あんなに優しくしてくれたのに、あんなに仲良くしてくれたのに、親友だと思っていた彼女はいつの間にか別人格と入れ替わり、手を血で染めていく。物語は友達思いの一面と冷酷な顔を持つ二重人格者と同居を始めた女が味わう恐怖を描く。本当の彼女は誰なのか、何が原因で別人格が生まれたのか、殺人事件現場に残されたノートに記された日記、そこに秘められた謎を解いていくうちにたどり着いた衝撃の真実。多重人格ものという手あかのついた感のあるテーマを“2大人気若手女優”の共演で更なる深化させた映像は、ミステリアスな中にもホラーの要素を加え,2人の新たな魅力を引き出している。

交通事故で入院中の春海は看護師の麗子と意気投合、退院後一緒に暮らし始める。ある日、散歩中にチワワを見かけた麗子の態度が急変、後日そのチワワを煮込んでいる麗子に春海は驚く。ところが麗子には犬を殺した覚えがなかった。

その後も事あるごとに凶暴で残酷な姿を見せ始める麗子。実はマリの人格が麗子の人格にとって代わり、凶行に及んでいたのが判明する。夜な夜な赤い服に身を包み、マリになって出かける麗子を誰も制止できず、ついにマリは殺人まで犯してしまう。いったい麗子は何者なのか、マリを止められるのか。春海は彼女をはねた工藤に助けを求めようとするがどこかちぐはぐでぎこちない彼女の言動に、工藤も戸惑いを隠せない。そのあたり、麗子を演じた深田恭子のたどたどしい演技が逆に伏線として機能していた。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

交通事故の脳への後遺症に春海が気づいていないことから起きた変調、記憶障害は多重人格にどのようにかかわってくるのかが興味深い。別人格はつらい現実を忘れるために作りだしたもう一人の自分、だが忘れてしまったはずなのに、潜在意識の中ではきちんと生き続けている。そんな人間の心の複雑さが恐ろしかった。。。

オススメ度 ★★*

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