こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

シャドウハンター

otello2014-03-06

シャドウハンター The Mortal Instruments : City of Bones

監督 ハラルド・ズワルト
出演 リリー・コリンズ/ジェイミー・キャンベル=バウアー/ジョナサン・リース・マイヤーズ/レナ・ヘディ/ケヴィン・ゼガーズ/ジェマイマ・ウェスト/ロバート・シーハン
ナンバー 32
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

封印された過去、教わらなかった能力、歪んでいく日常。徐々に異変が起きていることに気づいた少女は、脅え驚きながらも現実を受け入れ立ち向かっていく決意を固める。そこは彼女と同様のポテンシャルの者だけでなく、妖魔や怪物、魔獣たちが跳梁跋扈する闇の世界。彼らは人々の目には映らないが街のあちこちに身を潜め、人間界に魔手を伸ばす機会を虎視眈々とうかがっている。そして彼らの動きを阻止する者たちは命がけの戦いを強いられる。物語は母から大いなる謎と秘密を継承したヒロインが、真実に迫る過程で己のアイデンティティを探る姿を描く。物の怪たちの社会も様々な派閥があり、人に害を及ぼす者と人と共存しようとする者に別れて覇権争いを繰り広げる。そこに恋や友情、欲望やしがらみといったティーンエージャーの多感な思いを盛り込み、二転三転する展開に息をのむ。

母からの電話で家に帰ったクラリーだがすでに母は誘拐された後、怪物に襲われたところをジェイスという美しい青年に救われる。母は魔界を支配する力を持った聖杯の在処をクラリーに託し、その記憶を消していた。

母が妖魔を退治するシャドウハンターだったと聞かされたクラリーは自らシャドウハンターになり、ジェイス達の仲間になる。一方で、ジェイスに恋心を抱くメンバーとの軋轢や、幼馴染の少年・サイモンとのすれ違いに心を乱されたりする。さらに彼らの師、ヴァンパイアや狼族などおなじみの“シャドウワールド”の住人達が入り乱れ、クラリーは想像もしなかった冒険の旅に出る。彼女は自分にどんなパワーが備わりどんな技が使えるのか理解していないのに、決して運命から逃げない。それどころか機転と行動力で次々と襲撃してくる敵や難題をクリアしていく。くよくよ考えている暇はない、彼女の向う見ずなまでの勇気が魅力的だった。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

シリーズ第一作目となるこの作品は、クラリーを巡る多岐にわたる登場人物が丁寧に紹介され、次回作以降の伏線が張り巡らされる。特に噛み傷のせいで視力が向上したサイモンの今後の活躍が楽しみだ。

オススメ度 ★★★

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