X-MEN:フューチャー&パスト X-Men: Days of Future Past
監督 ブライアン・シンガー
出演 ヒュー・ジャックマン/パトリック・スチュワート/イアン・マッケラン
ナンバー 125
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています
炎、氷、壁抜け、嵐…。あらゆる超能力を凌駕する戦闘ロボットの登場で絶滅の危機にあるミュータントたちは、過去に手を加えて“現在”を修正しようとする。それは肉体をタイムトリップさせるのではなく意識だけを当時の自分に植え付けるユニークな方法だが、不老不死の男が役目を担うゆえに従来の“時空もの”と表面的には同じ。今や指導者となっている長老格の2人が未熟さをさらけ出すシーンが、最初から完璧な者などいないことを示す。JFKを暗殺した“魔法の銃弾”がマグニートの仕業だったという小ネタが笑えた。
人間対ミュータントの戦争で荒廃した2023年の地球。対ミュータント兵器・センチネルによって追い詰められていたチャールズたちは、50年前の世界にローガンを送り込んで若き日のチャールズとエリックを共闘させようとする。
まだふさふさロン毛のチャールズは読心術を犠牲にして歩行能力を維持している。ミュータントとしての人生に倦んでいるのか、ローガンに説得されてもなかなか行動せず、エリックやレイブンとの感情的なしこりは残ったまま。その過程で、これまでのシリーズで描かれてきた複雑な愛憎の原因が少しずつ明らかになっていく。そして、人智を超えた能力ゆえに恐怖と憎しみの対象となってしまった彼らの哀しみが怒りに変わる瞬間が、壮大なスケールと圧倒的な情報量のCGで再現される。
◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆
超硬質の爪と不死身の体を持つが、派手なビジュアルとは無縁のウルヴァリンは今回もあまり活躍の場はない。それどころか奮闘虚しく川底に沈められ身動きが取れなくなる始末。だが、他のミュータントがすべて年を取りやがて死んでいくのに対し、“死”も“老い”も超越したウルヴァリンはある意味もっとも偉大な能力の持ち主であり、数多の悲劇を目撃しそれでも生き続けなければならない悲しい存在でもある。彼が記憶喪失になるのは自己防衛本能が働くからなのだろうか。。。
オススメ度 ★★★