こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

マレフィセント

otello2014-07-08

マレフィセント MALEFICENT

監督 ロバート・ストロンバーグ
出演 アンジェリーナ・ジョリー/エル・ファニング/シャルト・コプリー/サム・ライリー/イメルダ・スタウントン/ジュノー・テンプル/レスリー・マンヴィル/ブレントン・スウェイツ
ナンバー 158
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

強大な翼を自在に操って大空を翔け、自由と全能感を味わう黒い妖精。その一撃で強欲な人間たちをなぎ倒し、王の野望を打ち砕く。だが、恋人に騙され力を失った彼女は、絶望の淵で魔女となる。物語は、裏切った男に復讐を誓ったヒロインが、十数年を経て優しさと慈しみを取り戻していく過程を描く。男が苦しむのを楽しみにしていたのに、純粋な少女の笑顔が彼女の怒りを鎮め、安らぎに変えていく。無力だからこそ守りたい、無垢だからこそ信じたい、そして無心だからこそ報いたい。いつしか仇敵の娘がわが子のように思えてくる。彼女の変化は、憎しみは学ぶが愛は生まれつき感情に備わっていることを教えてくれえる。

ムーア国の妖精・マレフィセントは人間の若者・ステファンと恋に落ちるが、国王の密命を受けたステファンに翼を奪われてしまう。その後玉座を継いだステファンに赤ちゃんが誕生すると、マレフィセントはその子に呪いをかける。

平和なムーア国は女性を、愚かで貪欲な人間の王国は男性を象徴しているのだろう。オーロラ姫と名付けられた赤ちゃんはムーア国近くの小屋で3人の妖精に育てられる。報復の日が待ちきれず、たびたびオーロラの元を訪れ様子をうかがうマレフィセント。本当は自分も母になれたかもしれないのに、ステファンに心を汚された。しかし、恨んでいるのはステファンであってオーロラではない。やがてオーロラの無邪気な態度に母性を抱き始める。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

呪いの刻限が近づくと、マレフィセントは無効にしようとするが叶わず、図らずも実現してしまう。深い眠りについたオーロラの目を覚ますのは“真実の愛のキス”だけ。ところが王子の唇では呪いは解けない。この作品の、男の口から出た愛の言葉など信用できない、“真実の愛”は女の胸に宿るという発想には、「アナ雪」同様、“結婚できない女”たちの深刻な男性不信が凝縮されていた。。。

オススメ度 ★★★

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