こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

リアル鬼ごっこ

otello2015-05-27

リアル鬼ごっこ

監督 園子温
出演 トリンドル玲奈/篠田麻里子/真野恵里菜/桜井ユキ/高橋メアリージュン/磯山さやか
ナンバー 117
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

顔を上げると同級生たちの腰から上が消えている。ぶった斬られた胴体から吹き出す鮮血、道路に散乱する上半身。一瞬の出来事に状況を把握できないまま、彼女はさらなる惨劇に見舞われる。物語は山中での大虐殺からひとり生き残った少女が、戻った学園でも凄惨な銃乱射に遭遇し、逃げ回る姿を描く。何に追われているかもなぜ追われているかもわからない。手を差し伸べてくれるのは親友だけ。ひたすら走り続けるヒロインを躍動感あふれる映像にとらえたカメラワークが、迫りくる恐怖を再現する。そして大量にばらまかれた血と肉片は理解を超えた死を象徴し、この世界の偽物臭さを強調する。バーチャルなのに感覚は本物、ミニスカ女子高生軍団の瑞々しいナマ足と圧倒的な暴力描写は園子温の真骨頂だ。

修学旅行のバスでまくら投げに興じていたミツコは、ボールペンを拾おうと身をかがめる。一陣の風が頭をかすめたかと思うと、バスの上部半分がクラスメートの肉体ごとスパッと切り離されていた。

その風を避けるうちに見知らぬ女子高にたどり着いたミツコはアキに声をかけられ行動を共にする。おかしいのはミツコなのか、彼女を取り巻く環境なのか。すべてが信じられないままミツコは自動小銃をぶっ放す女教師からも狙われ、またしても全力疾走。このあたり、ミツコを演じるトリンドル玲奈の困り果てたような表情がか弱げで、つい守ってあげたくなる。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

交番に逃げ込んだミツコはいつしかケイコという外見に変わり、結婚式を迎える花嫁になっている。そこでも因果関係は不条理に捻じ曲がり、以後も血と殺戮の狂宴が繰り返される。もはやストーリーに意味はなくテーマや教訓を求めても無駄、想像を絶するシュールな展開に翻弄されるばかりだ。そう、これは自我を持ったゲームの中の登場人物の体験なのだ。コントローラーの操作ひとつで命を落とすがリセットすればすぐ元通り、そんな価値観がエンタテインメントに昇華されていた。ただ、やっぱり白パンツはモッコリのオッサンよりも女子高生のほうがいい。。。

オススメ度 ★★★

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