こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

海底47m 古代マヤの死の迷宮

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慣れない海中で迷ってしまった。音に反応する巨大人食いサメが周辺をうろついている。やっと見つけた出口は潮が速い。酸素は残り少なくなってきた……。物語は、スキューバダイビングで禁断の地に侵入した女子高生4人がサメと闘いながら脱出を図る過程を描く。誘われるまま来てしまった。ノリが悪いと思われるのが嫌で虚勢を張っていた。帰路を示すロープも用意していない。そして、建造物が崩壊し海底泥で視界がなくなるとたちまちパニックになる。それでも最後まで冷静さを失わなかったのは内気で根暗ないじめられっ子。無鉄砲な冒険の中、少女たちが本性をあらわにしていく過程で、彼女は状況を見極め何をすべきかの判断を的確に下していく。その劇的な変化は、危機が人を成長させると教えてくれる。

アレクサ、ニコル、サーシャ、ミアの4人は森の奥にある隠れスポットから続く海底洞窟を探検、その先の古代文明の遺跡を訪れる。そこは人形や人骨が散乱する集団墳墓、光は届かず魚類の目は退化している。

後先考えず前にやっちゃうのが若さの特権とばかりにどんどん進むアレクサとニコル。慎重な性格のミアは殿を務めるがみなとはぐれてしまう。遺跡の調査中だったベンと遭遇するが、ベンはあっさりとサメの餌食になる。また遺跡に戻り3人と合流、その間も彼女たちの周りを複数のサメが泳ぎ回っている。何度も追いかけられるがそのたびに狭い場所に逃げる。このあたり、暗い水中で突然ライトに浮かび上がる目無しサメの顔が非常に不気味で、この地に葬られた死者の念が彷徨っているようだった。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

その後も、助かったかと思うとサメに襲われる。せっかく洞窟の入り口にたどりついても自己チューな行動が命取りになったり、潮流に押し流されたり、ボンベの酸素がなくなったりする。ところがミアはいつしか性根が座り、必ず生きて帰る決意を固めている。やっと水面に出てもサメだらけ、胴体に噛みつかれても怯まず反撃する彼女の勇気は、恐怖を克服した者だけが死を逃れられると訴える。

監督  ヨハネス・ロバーツ
出演  ソフィー・ネリッセ/システィーン・スタローン/ニア・ロング/コリーヌ・フォックス/ブリアンヌ・チュー/ジョン・コーベット
ナンバー  117
オススメ度  ★★*


↓公式サイト↓
https://gaga.ne.jp/47m_maya/