こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

いけいけ!バカオンナ~我が道を行け~

f:id:otello:20200804172210j:plain

部屋に帰ったら速攻でジャージに着替え寝転んでくつろぐ女。学生時代からの習慣は社会人に出た後も変わらない。世間ではイケてる部類に属しているのに、奇妙な潔癖症ゆえ男性経験は乏しい。でも、親友は何よりも大切にする。物語は、不器用だが一生懸命に生きている女の10年に及ぶ友情と恋を描く。圧倒的スペックに気おされた初対面。思わず見てしまった恥ずかしいところと古い映画で意気投合した一夜。社会に出て違う道を進むようになっても連絡は取り合い、着実に大人になった姿を認め合う。夢を追う彼女を尻目に順調にキャリアを積んでいるのに、恋愛に関しては理想が高すぎて、やっと捕まえたのは同僚のダサ男。そんな彼女が繰り広げる騒動の数々をコミカルに再現しようとするが、ちょっとこの作品のセンスにはついていけなかった。

共通の友人の紹介でセツコと知り合った大学生の結子。美人でハーフでモデルまでこなすセツコにトイレを貸したのを機に打ち解ける。その後、結子はアパレルに就職、セツコは女優を目指すと宣言する。

男を切らさないセツコ、一方でいまだまともに付き合ったこともない結子。せっかくできたサラリーマンの恋人に迫られてものらりくらりとかわしているうちに処女と見抜かれてしまう。失恋の傷も癒えないまま就活に翻弄されるが、苦労してもぐりこんだ会社で仕事の面白さに目覚める。虚勢ばかり張って自分を大きく見せようとする結子だが、それは自信のなさの裏返し。ルックスに恵まれリア充自慢に余念のないセツコの方がよほど自身を客観視し冷静に自己分析をしている。そのあたりの対比が、己にない性格や資質を親友に求める女心の繊細な複雑さを象徴していた。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

アラサーになりやさしさだけが取り柄のカレシができた結子は、結婚を決めたセツコに対し披露宴の招待状を破り捨てて反対するという暴挙に出る。ただ、その理由があまりにも独善的かつ飛躍しすぎていて、付随するドタバタぶりも笑えない。もっとぶっ飛んだ世界観を作構築してほしかった。

監督  永田琴
出演  文音/石田ニコル/真魚/小野塚勇人/田中要次
ナンバー  122
オススメ度  ★★


↓公式サイト↓
https://gogo-bakawoman.jp/