DEATH NOTE the Last name
ポイント ★*
DATE 06/11/4
THEATER ワーナーマイカルつきみ野
監督 金子修介
ナンバー 189
出演 藤原竜也/松山ケンイチ/戸田恵梨香/片瀬那奈
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています
「前編」の黒い死神の対を成すような白い死神が登場する。しかし、この死神は主人公の謀略に嵌り「人間の寿命を伸ばそうとしたら死ぬ」というルールによって灰になってしまう。「死神のくせに人間にだまされるなよ」と思わずツッコミを入れてしまいたくなるが、それは法を破っても裁きを受けずにのうのうと暮らしている輩が多い人間界に比べ、厳格にルールが適用される霊界のほうが社会のあるべき姿ということか。
ミサというアイドルの下にデスノートが降ってくる。彼女は第二のキラを名乗り、第一のキラである夜神に接近する。夜神はLを出し抜くためにミサのデスノートを奪い、自分を支持するTVレポーターの元に届ける。
「前編」同様、夜神とLの神経戦ともいうべき攻防が繰り広げられる。Lの明晰な頭脳と巧みな言葉に夜神は再三追い込まれるが、確たる証拠は出ない。一方で夜神は2冊のデスノートを巧みに使い分け、自分への疑いを晴らそうとする。その過程で警察は無茶苦茶な捜査や取調べを行うし、デスノートのルールは書き換えられたうえ都合のいい解釈が加えられるなど、ストーリーが破綻してしまっている。最後に夜神を追い詰めるシーンも何の伏線もない突然のどんでん返し。完全にご都合主義の罠に落ちてしまった。
やはり「2冊目のデスノート」を登場させたのが最大の失敗。2冊目があるということは、3冊目、4冊目とまだまだ何冊もあるということ。こんなものが世間に氾濫したら、人間界は成立しなくなるではないか。また、ミサを救った死神も、その理由は一家を惨殺された彼女まで殺されるのが不憫だったからなどというアホらさ。人間に同情したうえに命まで犠牲にするという死神にあるまじき行為は、子供でも鼻白むだろう。大体そんな過去を持つ女の子が芸能界に進むはずはない。こういったエピソードもマンガなら抵抗なく受け入れられるのだろうが、実写映画になってしまうと、リアリティを無視した欠点としか映らない。