こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1

otello2012-02-28

トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1
BREAKING DAWN-PART1

ポイント ★★
監督 ビル・コンドン
出演 クリステン・スチュワート/ロバート・パティンソン/テイラー・ロートナー/ダコタ・ファニング
ナンバー 47
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

愛する男と結ばれて幸せの絶頂にあるはずなのに、浮かない顔のヒロイン。運命の恋に身をゆだね様々な障害を乗り越えてやっとたどり着いたゴールだが、誰かを苦しめていることを知っているのが一番の原因なのだろう。さらに未来に待ち受ける不吉な予兆、それでも信じた道を突き進む彼女が痛々しい。冷たい美しさを湛えた満月を水面に映した南の海が、そんなカップルを祝福しつつも不安をあおる。物語は、ついに人間のままバンパイアの花嫁になった彼女に新たな異変が起き、オオカミ族を巻き込んだ騒動に発展する。

エドワードと結婚式を挙げたベラはハネムーンに出かけ、さっそく妊娠する。胎児は異常な速さで成長し次第に母体を蝕み始めるが、対処法はみつからない。そこにオオカミ族が協定違反のクレームをつけ、ジェイコブがベラの説得にあたる。

二者択一を求められたとき、常によりハードな道を選ぶベラ。バンパイアの血を引く胎児に栄養分を吸い取られ、やつれ果てた姿になっても産む決意は変わらない。しかもその子がバンパイアとオオカミ族の新たな諍いの種になるとわかっていてもお構いなし。シリーズ1作目から延々続くベラが信念を貫くゆえに起こる不幸の数々、克服してもすぐにまた自らを窮地に追い込んでいく様はもはやトラブルジャンキーだ。披露宴で父親が見せる憂鬱な表情は、彼女の性格を知っているがゆえにまた心配の種が増えたやりきれなさがあふれていた。

◆以下 結末に触れています◆

やがてベラは産気づき、バンパイアたちは帝王切開を試みるが、その際の出血を物欲しそうに舌なめずりするなど吸血鬼の本能を垣間見せるあたり映画は芸が細かい。しかし、エドワードはじめバンパイアやジェイコブの介護むなしくベラは力尽き、命を犠牲にして産んだ娘が後半のキーパーソンになる予感。ただ、全体的に展開がスピードに欠け、間延びした感がぬぐえない。無理やり2部構成にしなくてもよかったのではないだろうか。。。

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