こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ブラック&ホワイト

otello2012-04-23

ブラック&ホワイト THIS MEANS WAR

オススメ度 ★★
監督 マックG
出演 リース・ウィザースプーン/クリス・パイン/トム・ハーディ
ナンバー 97
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

完璧な連携を誇る2人の男が同じ女の虜になる。男たちは現役の凄腕工作員、監視・盗聴・偽装などあらゆるテクニックを使って女のデータを集め、彼女のハートを射止めようとする。一方の女も、どちらを選ぶか決めきれず久しぶりの訪れた“モテ期”に喜びを抑えきれない。物語はそんな3人の駆け引きにスリルとサスペンスを少し加えてコミカルに描く。だが、ヒロインを演じるリース・ウィザスプーンは理想の恋人を演じるにはとうが立ちすぎて血気盛んな若い男の気持ちを翻弄するほどの魅力に乏しく、男たちの殺し屋としての力量を発揮するヤマ場も期待外れ。コメディとしてもアクションとしても中途半端、どうせなら徹底的にハメを外してほしかった。

香港での任務に失敗し内勤を命じられたCIAエージェントのタックとFDR。2人はそれぞれ別の場所でローレンと出会い、たちまち恋に落ちる。タックとFDRはCIAの装備・秘密兵器を駆使してローレンの心にアタックする。

ローレンの嗜好を研究した2人は己の得意分野でイイところを見せようとするが所詮は付け焼刃、すぐにボロが出そうになる。唯一、タックがコンバットゲームで圧勝する場面が、鍛え上げられたプロの技の見せどころだった。その後、香港での恨みを晴らそうと彼らの下にやってきた悪党が、ローレンを拉致してタックとFDRと対決するが、その過程で繰り広げられる活劇も特に目を見張るほどのアイデアはなくスピード感もイマイチ。結局、映画のノリに最後まで共感できなかった。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

この作品はローレンの「女目線」で見るべきなのだろう。全力で愛した男に捨てられた女の前に2人同時に突然現れた謎のイケメン。2人とも身のこなしは洗練されていて知識も話題も豊富な上カネにも不自由してなさそう。そして正体は世界をまたにかけて活躍するスパイ。何より2人とも自分にゾッコンだ。これを、30歳を過ぎても “運命の恋”を待ち続けているバカ女の幸せな妄想と解釈すれば、荒唐無稽な設定と展開も納得できるのだが。。。

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