ボディ・ハント House at the End of the Street
監督 マーク・トンデライ
出演 ジェニファー・ローレンス/エリザベス・シュー/マックス・シエリオット/ギル・ベローズ
ナンバー 285
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています
目で見たことは正しいのか、心で感じたことは真実なのか。哀しみを纏った孤独な青年は忌わしい過去と重大な秘密を抱えている。転校してきた少女は、彼の純粋な瞳に魅かれ寂しさを癒してやろうとする。ところが周囲の人々は彼らの交際を快く思わない。物語は森のそばの一軒家に引っ越してきた母娘が隣人の事情に首を突っ込むうちに恐ろしいトラブルに巻き込まれていく姿を追う。大人の無理解、蔓延する黒い噂、それでも彼を信じるヒロインの直截的な正義感がいかにもティーンエイジャーらしい。
格安物件を借りたサラとエリッサ母娘は、夫婦惨殺事件があった隣家にひとりで暮らすライアンと知り合う。しかし、ライアンは行方不明になったとされている妹のキャリー・アンを地下室に監禁していた。
悲劇の当事者として地域の住人から距離を置かれているライアン。両親の離婚に胸を痛めているエリッサは彼の繊細な気持ちの理解者となっていく。映画の冒頭でキャリー・アンが両親を刺し逃走するが、ライアンは密かに彼女を保護して人目につかないように拘束している。そこにはかわいい妹を犯罪者にしたくないライアンの、歪んではいるが深い愛が横たわっているよう。一方、サラがライアンを食事に招待しておきながらエリッサとの交際を禁じたり、登校したライアンに男子生徒が絡むシーンにライアンへの偏見が凝縮され、その反発からエリッサがライアンに急接近する設定が共感を呼ぶ。
◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆
やがてライアンの本性が明るみになっていくが、キャリー・アンを死なせた後悔に苛まれ、精神のバランスを崩した両親にナイフを突き立てたあげく自身の人格も押し殺して生きてきたライアンは、ある意味、両親の狂った思いの犠牲者。だが、それを直感で見抜いたサラの判断や近隣の風評は結構当たっている。もしかして、慣れない環境で新しい人間関係を結ぶ時は、親の忠告や知人の評判には素直に耳を傾けなさいという、高校生への教訓だったのか。。。
オススメ度 ★★*