こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

女神は二度微笑む

otello2015-03-09

女神は二度微笑む Kahaani

監督 スジョイ・ゴーシュ
出演 ビディヤ・バラン/パラムブラト・チャテルジー/ナワーズッディーン・シッディーキー
ナンバー 55
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

臨月の妻を残して夫は突然消息を絶った。滞在していたはずのホテルには痕跡がなく、勤めていたはずの会社にも記録はない。あきらめられないヒロインは、大きなおなかをゆすりながら闇に葬られた夫の手掛かりを探して、見知らぬ町をさまよい続ける。そしてたどり着いたひとつの名前。物語は喧噪の大都会にやってきた妊婦の波乱に満ちた冒険を追う。IT技術には優れるが誰もがか弱い女だと思っている。だが時に大胆なまでに度胸の据わった態度を見せ、男たちの一歩先を行く。警察と情報機関、テロリストと支援組織、それらの微妙なパワーバランスを巧みに操って真実に迫る過程はスリルとサスペンスにあふれている。

失踪した夫の捜索願を警察に出したヴィディヤは、夫の勤務先の人事担当者から夫に似た男・ミランが在籍していたと知らされる。ヴィディヤは下っ端警官・ラナの助力を得てミランの履歴を探り始めるが、次々と関わった殺されていく。

ミランは2年前の毒ガス事件の容疑者とされるテロリスト。情報機関の捜査員・カーンはヴィディヤを餌にしてミランの尻尾をつかみ情報機関内の裏切り者あぶりだそうとする。一方、組織が送り込んだ殺し屋の追跡をかわしつつも、ヴィディヤとラナは巨大な秘密が隠されたPCのハッキングを試みる。このあたり、敵・味方それぞれの思惑が入り混じった複雑な人間関係であるにもかかわらず話の流れが非常に速いため、ストーリーついていくのが大変だった。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

やがて、ミランをおびき出す手はずを整えたヴィディヤは、単身ミランとの対決の臨む。そこで初めて明らかになるヴィディヤの真意。みんな騙されていた、利用しようとしたはずが利用されていたというどんでん返しには目が点になった。ただ、メガネをかけた夫との思い出シーンはじめ、ディテールに「?」が付く場面も散見する。それでも、畳み掛けるような展開が考える暇を与えず、力技で疑問をねじ伏せる。

オススメ度 ★★*

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