こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ハスラーズ

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バーでひとり飲んでいると、ゴージャスな女が話しかけてくる。打ち解けた頃合いを見て姉妹と称する3人が現れ、4人の美女に囲まれた男は有頂天。だが、酒にドラッグを混ぜられ、気づいたときにはカードをスキャンされ数千ドルの支払い票にサインさせられている。物語は、金持ち男をカモにする元ストリッパーたちの暗躍を描く。景気がいいときは花電車でも稼ぎはよかった。ところが不況で客足が途絶えると、彼女たちも干上がる。そこで思いついたのが不景気なのに金回りのいい金融機関の男たちからカネをむしり取る方法。学歴も資格もない女たちが自らの性的魅力をフル活用してブラックカードやプラチナカードを持つ客から騙し取る手段と理論武装は独善的、それでも本当の悪党は誰なのかを考えるヒントをくれる。

ナイトクラブで働き始めたディスティニーはラモーナに気に入られ業界のイロハを教わる。気前いい客に恵まれ楽な仕事で大金を手にするが、リーマンショックで失業状態になる。

高級ブランドの店に乗り込みチップでもらった小額紙幣の束で買い物をするディスティニーたち。店員が胡散臭そうな顔でにらんでも平然とやり過ごすあたり、カネこそが正義というNY流の価値観が凝縮されていた。一度は水商売から身を引いても、キャリアのないシングルマザーが生きていけるのは夜の世界だけ。ラモーナと組んだディスティニーは、今度はカード詐欺を働くようになる。被害者たちは気恥ずかしさと後ろめたさから表ざたにはしない。やがて店ぐるみで犯行を重ねるうちに人手が足りなくなり新たなメンバーを募集する。まじめに暮らしてきた多くの人々が差し押さえを食った一方で、違法行為に手を染めしぶとく生き残ったウォール街の金融マンからかすめ取る手口は痛快ではあるがどこか破綻の予感を孕ませる。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

ローンを抱えた男を破産させたことからディスティニーとラモーナは対立、彼女たちの活動に暗雲が漂い始める。もう50歳のジェニファー・ロペスの圧倒的な美魔女ぶりに目が点になった。

監督  ローリーン・スカファリア
出演  コンスタンス・ウー/ジェニファー・ロペス/ジュリア・スタイルズ/キキ・パーマー/リリ・ラインハート/リゾ
ナンバー  300
オススメ度  ★★★*


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