こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

東京リベンジャーズ

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ホームから線路の上に突き落とされた。ちょうど地下鉄が入ってきた。その瞬間、彼の脳裏では一生が走馬灯のようにリプレイされる、はずだった。物語は、負け犬人生を送っている元ヤンキーが高校時代にタイムリープ、当時の恋人を救うために奮闘する姿を描く。きっかけは不良相手のケンカでの完敗。ビビってしまい、最後まで抵抗せず許しを乞うてしまった意気地なしが今につながっている。そして、やっと巡ってきた、運命を変えるチャンス。これを逃したらまたクズに逆戻り、ありったけの勇気を振り絞って踏ん張る主人公の背中は、守るべきものを持つことが人間を強くすると教えてくれる。過去に少しだけ手を加えるだけで、現在が大きく変わっている。どうせ後悔するのなら、やらないよりも行動に移した方がいい。ポジティブな選択こそが未来への可能性を拓くのだ。

キヨマサの奴隷にされたタケミチは友人を助けるためにタイマン勝負を挑む。そこに現れた暴走族のリーダー・マイキーは、何度ボコられても立ち上がるタケミチを気に入り、声をかける。

現在では反グレ集団のボスになって警察から目をつけられているマイキー。彼らの抗争の巻き添えになって、タケミチの元恋人が死ぬ。一方で、10年前の同じ日に戻る能力を身に着けたタケミチはマイキーとつるむうちに、正義感が強く仲間思いのマイキーの本質を知る。元恋人の事故死を防ぐためにマイキーを殺せと命じられているタケミチは、すでに彼に友情と敬意を抱いている。そんな葛藤と逡巡を経てタケミチが成長していく過程は、もどかしいほどに遅々として進まず、思わず背中を押してやりたくなる。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

相棒・ドラケンの死がマイキーの性格を変えたと知ったタケミチは、ドラケンの命を守れば問題は解決すると、ドラケンを襲撃したキヨマサと再び闘う。もう逃げたりはしない。絶対にあきらめもしない。以前とは違う、精神的にはかなりタフになり、腕っぷしも格段に上げたタケミチの雄姿は、人間死ぬ覚悟があればたいていのことはやり遂げられると訴える。

監督  英勉
出演  北村匠海/山田裕貴/杉野遥亮/今田美桜/鈴木伸之/眞栄田郷敦/吉沢亮
ナンバー  127
オススメ度  ★★★


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