こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

パシフィック・リム

otello2013-08-13

パシフィック・リム PACIFIC RIM

監督 ギレルモ・デル・トロ
出演 チャーリー・ハナム/イドリス・エルバ/菊地凛子/ロン・パールマン/芦田愛菜
ナンバー 198
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

開いた左の手のひらで右手の拳を受け止める人型巨大兵器。走りながら腕を大きく振り回すハンマーパンチを繰り出し、怪獣の頭部にヒットさせる。さらにひるんだ怪獣を、蹴り、絞め、投げ飛ばし、最後にプラズマ砲で仕留める。パイロットがコントロールする人型巨大兵器vs地球侵略を企むエイリアンが異次元空間から送り込んだ怪獣、重量感あふれる攻防の数々は、まるで生身の人間が戦っているかのごとき圧倒的な臨場感。怪獣が傷つき機体が破損するたびに、痛みがスクリーンから伝わってくる。物語はかつて人型巨大兵器のパイロットだった青年が地球滅亡の危機に際し再び立ち上がる姿を描く。

怪獣に敗れパートナーである兄を失った人型巨大兵器・イエーガーのパイロット・ローリーは放浪を続けていた。だが、日増しに進化していく怪獣たちに対処できるパイロットを探す地球防衛軍は、ローリーを部隊に復帰させる。

2人のパイロットが同時にイエーガーに指令を送り込む必要から、彼らは脳の神経回路を同期しなければならない。パイロット同士の相性や技量も重視され、ローリーは復讐に燃える女性隊員・マコと組むことになる。彼らに与えられたイエーガーは旧式のタイプ、それでも2人はイエーガー体内での全身を使った操縦に、使命を果たす昂揚感以上の喜びを感じている。何のために戦うか、相手にも命があり守るべきものがいるのではないか、などといったセンチメンタルな葛藤は一切なくし、ひたすらイエーガーと怪獣たちがパワーをぶつけ合う。それは洗練された格闘技のような技とスピードを競うのではなく、むしろ取っ組み合いのケンカ。ローリーやマコの成長より、あくまでバトルにこだわったの映像に胸が躍る。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

ただ、イエーガーと怪獣の対決シーンは夜間や海中ばかりで、画面が暗いのに情報量が多すぎて動きが把握しづらい。昼間の明るいところで、どういうアクションをしているのかはっきりわかる戦い方も見せてほしかった。

オススメ度 ★★★

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