こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

イコライザー

otello2014-10-29

イコライザー THE EQUALIZER

監督 アントワン・フークア
出演 デンゼル・ワシントン/クロエ・グレース・モレッツ/マートン・コーカス
ナンバー 253
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

鋭敏な感覚で状況を観察・分析し文字通りチンピラどもを秒殺する。武器は持たない、敵から奪うから。証拠は残さない、そこにある小物を使うから。ゴーストのごとく神出鬼没、銃器・刃物から格闘術まで洗練された身のこなしで善良な市民とギャングのトラブルを解決していく素早く正確な手業はまさに神の領域。物語は街にはびこる悪党どもを退治して回る男が、巨大な組織を背景に持つ暗殺部隊と対決する姿を描く。昼間は真面目で面倒見のいい温厚な労働者の彼が、夜になると圧倒的な強さを身にまとう落差が痛快だ。深夜のダイナーでひとり古典を紐解く知的な瞳と静かなたたずまいの主人公をデンゼル・ワシントンがクールに演じる。

ホームセンターで働くボブはなじみの店でアリーナという娼婦と知り合う。ある日、アリーナが元締めのギャングから暴行を受けたと聞いたボブは、単身事務所に乗り込みその場にいた5人を片付けて去る。

ギャングの事務所はロシアマフィアのボストン支部で、早速凄腕の殺し屋・テディが復讐のために送り込まれてくる。元特殊部隊員のテディは顔色一つ変えずに相手をぶちのめし殺してしまう暴力中毒者。買収した警察官を配下にボブの居場所を絞り込んでいく。一方で、ボブもかつての上司に情報提供を仰ぎ、ボストンのロシアマフィアを次々に壊滅させていく。狡猾かつ残忍ではあるが組織的で効率的なテディに対し、ハイテクは駆使しても派手な火器は手にしない“暗殺者の美学”を順守するボブ。ボブとテディの虚々実々の駆け引きと一進一退の攻防は手に汗を握る。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

結局、ロシアマフィアにとってボブは触れてはならない米国の“逆鱗”だった。というか、今やボブのような超人的な超法規的存在でもなければ、わがもの顔に振る舞うロシアマフィアを止められない米国の現実を反映しているのだろう。アリーナ役がクロエ・グレース・モリッツだったとはエピローグまで気づかなった。。。

オススメ度 ★★★

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