こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

ブレイブ 群青戦記

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霧が晴れるといきなり武器を手にした雑兵が乱入してくる。鎌や斧を振り上げ、校内を逃げ惑う生徒たちに切りつけ情け容赦なく血祭りにあげていく。巻き添えになった非戦闘員の凄惨な運命が、合戦とは血も涙もない殺戮であると訴える。物語は、キャンパスごと戦国時代にタイムスリップした数十人の高校生が桶狭間の戦いに参戦、奇抜な戦法で奮闘する姿を描く。大半の生徒はスポーツ推薦組で身体能力に優れている。頭脳明晰な特進組も生き残っている。剣道・空手・ボクシング・弓道・フェンシングから野球・アメフトまで、自分たちの特技を生かして足軽たちを迎え撃つ戦いは戦術と戦略の機知に富み、思わぬ異種闘技の面白さを味あわせてくれる。

織田方の武将に襲撃され数人の生徒を連れ去られたのち、松平元康軍に占領された星徳高校。剣道部の熱血主将・松本は弓道部の歴史オタク・西野とともに仲間の救出を元康に願い出る。

それぞれの部から志願者を募り織田方の砦に向かう松本たち。高校生アスリートたちはそもそも人を殺した経験などない。道中、敵と遭遇しても訓練を受けていない兵には通用しても、精鋭部隊には歯が立たない。一応参謀的な役割の西野はネガティブ思考で、競技の腕前は一流なのに自信が持てずなかなか腹をくくらない。松本の跡を継いでも煮え切らない態度のまま。勇猛さだけではすぐに返り討ちに合うが、リーダーが西野では士気も上がらないのではないだろうか。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

織田方の砦に野球部アメフト部などの意表を突いた奇襲で一定の成果は上げるが、人質が監禁されている曲輪までは遠い。やっぱり、人殺しが日常の連中と血など見たことのない高校生をガチで殺し合わせるのは無理がある。暴力をリアルに再現するよりコメディタッチにしたほうが楽しめたのではないだろうか。

監督  本広克行
出演  新田真剣佑/山崎紘菜/鈴木伸之/渡邊圭祐/濱田龍臣/鈴木仁/三浦春馬/松山ケンイチ
ナンバー  44
オススメ度  ★★


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