体格もパワーもスピードも全く違う男たちを相手に女たちは果敢に挑むが、その差は簡単には埋まらない。その結果大敗、笑いものになる。だが、それでも挑み続ける女たちに周囲の見る目は少しずつ変わっていく。物語は、出場停止になった男子サッカーチームの代わりに、町の女たちが即席チームを結成し試合に挑む姿を描く。経験者はほとんどいない。コーチは頭数をそろえるために運動能力の高そうな女たちに片っ端から声をかける。妻であり母でもある女たちは家事や育児を夫に交代してもらわなければならず、練習に集中できない。なにより腹立たしいのは夫たちの無理解。まだまだ女は結婚したら家庭に入るべきという考え方が強く残るフランスの地方都市、彼女たちが古い価値観と闘いぶち壊していく過程が痛快だ。
乱闘で選手全員が出場停止なったマルコのチームは、シーズン残り3試合で1点を取らなければ降格になる。窮余の策で女子チームを編成して次節に臨むが男子チームとの実力差は明らかだった。
夕方以降グランドに集まり夜遅くまで練習する選手たち。その間、夫たちは仕事で疲れて帰宅した上に家庭の雑事を押し付けられて不満がたまっていく。特に、スポンサーのミシェルは女子チームに強硬に反対、妻が無断で参加したことに腹を立て意固地になる。家庭内冷戦状態になった女たちは集まって夫たちの悪口を言い合う。女だというだけで男の付属物のように扱われていた彼女たちが高級ワインを飲みながら積年の恨みが爆発させるシーンは妙にすがすがしかった。
◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆
マルコはコミッショナーに女子チームの参加を訴え続けるが、男女の試合は無効と裁定される。それでもチームは最終試合に臨み抜群の技量を持つサンドラの活躍で勢いづいたチームは大善戦する。しかし、男女平等が叫ばれる中、草スポーツのレベルならまだしも、やっぱり男女をフィジカル面で対等に扱うのは無理がある。そのあたりの掘り下げ方が中途半端、ならばもっとコメディ路線に振ったほうがよかったのではないだろうか。
監督 モハメド・ハムディ
出演 カド・メラッド/アルバン・イバノフ/セリーヌ・サレット/サブリナ・ウアザニ/ロール・カラミー/アンドレ・ウィルム/ギョーム・グイ
ナンバー 49
オススメ度 ★★*
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