ウルトラマンサーガ
オススメ度 ★★*
監督 おかひでき
出演 DAIGO/杉浦太陽/つるの剛士/黒部進/森次晃嗣/秋元才加/宮澤佐江/佐藤すみれ/梅田彩佳/増田有華/小林香菜/島田晴香
ナンバー 45
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています
ウルトラマンのパワーには頼りたくない、血気盛んな若者は己の可能性を信じて怪獣に立ち向かう。だが、1人の能力で敵うほど甘くはなく、中途半端な変身をしてしまう。身長5メートル程度のウルトラマン、子供たちにはモップで突かれ、当然巨大な怪獣には蹴散らされる。そんな、2人のウルトラマンと2頭の怪獣が激突する場面は、コミカルではあるがで戦うことの意義を問う。自分のためではなく誰かのために命を懸ける、その覚悟がある者だけがウルトラマンになる資格があるのだ。着ぐるみのウルトラマンと怪獣、そして精細に再現されたミニチュアの街並みは、CGのリアルさはなくても、端々に手作りの温かさがあふれている。
バット星人によって人も動物も消された地球に召喚されたゼロとコスモスは、生き残った子供たちを保護する地球防衛隊とともに怪獣を撃退する。しかし、最強怪獣ゼットンの登場でゼロとコスモスは窮地に陥る。
ハヤタやモロボシといった、かつて地球を怪獣や侵略者から守ってくれたヒーローたちが、いまや長老然として全宇宙の平和を見守っている姿に思わず懐かしさに胸がいっぱいになる。わずか数十秒のシーンに時の流れを凝縮させ、ウルトラマンたちも老いるのかとあらためて感慨が込み上げた。一方、彼らの子世代にあたるゼロやコスモスはより個性的で、もはや単なる「正義の味方」ではない。ゼロは好戦的でビームやアイスラッガーで敵エイリアンを殲滅するが、コスモスはカンフー的な動きと慈愛の精神で決して怪獣たちを傷つけようとしない。知らぬ間にウルトラマンはファミリーを増やし、戦い方も変化しているが、これも価値観の多様化なのだろう。
◆以下 結末に触れています◆
やがて我が身を犠牲にして地球を救ったダイナが復活、ゼロ、コスモスと共に力を合わせるが、光速移動と強力なシールドを持つゼットンには3人がかりでもやはり歯が立たない。そこで3人は合体してウルトラマンサーガに進化、ゼットンに再度挑む。ところが、馴染み薄い21世紀のウルトラマンたちより、洗練されたとはいえ昔のままのゼットンに共感を覚えてしまった。。。