私たちのハイスクール時代っていったい何だったの? 将来の目標をしっかり立て勉学に励んできたのに。超有名大学に入学も決まり圧倒的な差をつけたと信じていたのに。時間を浪費するかのように遊び惚けていた同級生たちも、実はしっかり夢を叶えていた。物語は、優等生女子2人組が卒業式直前にやり残したことに気づき、最後の一夜に弾ける姿を追う。教室と図書館で過ごし遊び友達は作らなかった。だが、取り戻せるのは今夜しかない。はっちゃけたパーティは絶対に経験する。そう誓いあった2人は、夜の街でパーティ会場を探し回る。その過程で浮かび上がってくるのは、楽しみたかった、恋もしたかったという彼女たちの本心。青春の輝きなんか凝縮されていない。けれど、やっぱり一生に一度しかない瞬間を大切にすべきとこの作品は訴える。
内心見下していたクラスメートが一流大学・企業に進むと知ったモリーは、親友のエイミーと一緒にニックのパーティに参加する決意を固めるが、会場がどこにあるか知らなかった。
デブのモリーと同性愛者を自任するエイミー。クラスにいるのはねじの緩んだ変人ばかりと思っていたのに、彼らからすれば自分たちこそガリ勉の性格ブス。いざ精一杯のおしゃれをして出陣するが、エスコートしてくれる男子もおらずネット中継されるバカ騒ぎを見ているだけ。途中、クラスから浮いている男子がクルーザーに誘ってきたり、謎めいた女子に付きまとわれたりするが、ニックのパーティにはなかなかたどり着かない。彼女たちの道のりは正解のない問いの答えを求める人生を象徴していた。
◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆
先生の計らいで無事パーティに潜り込んだモリーとエイミー。そこで彼女たちは、理想と現実の違いを目の当たりにして愕然とする。そして隠していた本音を爆発させる。頭で考えるのは得意。でも、他人の気持ちや人間関係をすべてコントロールできるわけではない。努力では解決できない事象があると学んだ彼女たちは、きっと素敵な大人になる。そう予感させるラストだった。
監督 オリヴィア・ワイルド
出演 ケイトリン・デヴァー/ビーニー・フェルドスタイン/ジェシカ・ウィリアムズ
ナンバー 138
オススメ度 ★★★*