こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ

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寝静まった深夜の街、活動している人間は夜勤の警察官とバーの女主人、トラックの運転手だけ。だが、降りしきる雨の中、人肉を求めてゾンビたちがうごめき始める。物語は、感染症が広がり爆破が決まった街から脱出しようとする男女の奮闘を追う。郊外に通じる道路は封鎖された。ヘリコプターも墜落。密かに掘られたトンネルがあるという情報を得るが時間の経過とともにゾンビの数も増え、もはや銃器だけでは対応しきれない。ひとりまたひとりと仲間が餌食になっていく中、生き残った警官たちと町の秘密を知る女はさらなる恐怖にさらされていく。光源の乏しいシチュエーションで展開する人間とゾンビの抗争は斬新さに欠け、ただただ不快な映像が垂れ流されるだけ。内容に期待などしていないが、もっとチャレンジングな表現術を模索すべきだろう。

アンブレラ社が支配していたラクーンシティに戻ったクレアは警官の兄・クリスを訪ねる。出動命令が出たクリスの小隊は森の中の屋敷に向かうが、そこで大勢のゾンビに襲撃される。

感染者の目は白く濁り理性は感じられない。よたよたと歩き噛みつかれた人間は感染する。トラックにひかれても銃撃を受けてもダメージはなく、頭部を破壊する以外に活動を止める術はない。そのあたり、ゾンビの設定は従来通り。ゾンビのパターンが出尽くした今日において、人間側がどんな方法でゾンビを倒していくかが唯一の見どころなのに、手抜きなのは致命的だ。一応戦うヒロインを2人も用意しているのに、彼女たちも銃器をぶっ放すだけでたいした見せ場もない。せめて洗練された格闘技でも見せてくれれば退屈しなかったのに。。。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

クレアは新人警官・レオンと共に孤児院跡に侵入、怪物に襲撃される。その造形はヴェノムそっくりで思わず失笑を漏らした。さらに人体実験の責任者が自らにウイルスを注射して怪物化する。銃弾が通じないその怪物に対しても、ご都合主義の解決法が待っている。中国のロックダウンを皮肉るくらいのユーモアを持ってほしかった。

監督     ヨハネス・ロバーツ
出演     カヤ・スコデラーリオ/ハナ・ジョン=カーメン/ ロビー・アメル/トム・ホッパー/アバン・ジョーギア/ドナル・ローグブ/ニール・マクドノー
ナンバー     19
オススメ度     ★


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