幼少時からの仲良しで、兄弟以上に仲が良かった。だが、中学校に進学しその親密さをからかわれたことから、少しずつ距離を取り始める。物語は、12歳の少年2人の友情が壊れていく過程を描く。ご近所同士で家族ぐるみの付き合い、ひとりは活動的なスポーツマンでひとりは繊細な芸術家肌。花畑を走り回り、家の周りを探検していた小学生時代とは違い、少しずつ友人や交際範囲も変わってくる。2人の友情は永遠と信じていた無邪気な子供は終わり、新たな環境と人間関係の中で学校における彼らの立ち位置も変わっていく。活動的な少年は順応し繊細な少年は置き去りにされたような気分になる。そして突然の別れ。小学生時代に毎日遊んだ友達と中学進学と共に疎遠になるのはありふれたことなのに、なぜ彼らの成長を同性愛者的な視点に落とし込むのだろうか。
新学期が始まり、新しいクラスでも隣同士で座るレミとレオ。ある日、クラスの女子にいつもつるんでいることをからかわれレオは反発するが、それを機にレミとの仲を見直していく。
アイスホッケー部に入ったレオは放課後忙しくなり、そんな彼をレミは遠くから見つめている。毎朝一緒に登校していたのに、待ち合わせをすっぽかすようになったレオと喧嘩してしまうレミ。あまり社交的ではないレミにとってレオだけが心を許せる友達。なのにレオはアイホ仲間とも交流を始める。自分だけが取り残された不安と寂しさ、世界の終りのような絶望。まるでレオに裏切られたかのように感じてしまうレミが心を痛める表情が切なく哀しかった。
◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆
レミの死を知ったレオは激しい自責の念に駆られるが、一方で気持ちをきちんと整理することができず、アイホに打ち込んだり家業の手伝いに精を出したりして現実から目を背けようともする。そしてやっとレミの母親に会いに行くレオ。いじめたわけでもない。絶交したわけでもない。ただ自分の交友を広げただけ。レオの態度はレミを傷つけるが、その程度のことで自殺されたらレオもいい迷惑。もっと強くなれ。
監督 ルーカス・ドン
出演 エデン・ダンブリン/グスタフ・ドゥ・ワエル/エミリー・ドゥケンヌ/レア・ドリュッケール/イゴール・ファン・デッセル/ケビン・ヤンセンス
ナンバー 131
オススメ度 ★★
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