こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

フェドーラ帽に革ジャン、斜め賭けのバッグに手には鞭。おなじみの音楽は冒険活劇への期待を大いに膨らませてくれる。物語は、古代ローマ時代に発明されたタイムマシンを巡って考古学者と科学者が繰り広げる争奪戦を描く。ナチスドイツが触手を伸ばしていた。英軍の爆撃で所在が分からなくなっていた。20数年後、保管庫の奥に埋もれているのを取り出したことから、年老いた考古学者の人生は急展開する。馬にまたがり自動車やバイクと追跡劇を演じ、トラップだらけの古代遺跡を探索し、敵の手に落ちても決してあきらめずに逆転のチャンスをうかがう主人公。そのキャラクターとスピード感あふれる展開、ユーモアに満ちた演出と息つく間もないスリルの連続の映像は、スピルバーグのテイストをそのまま継承し、大いに懐かしさを覚えた。

終戦間際に行方不明になった運命のダイアルを探して、インディの元にヘレナが現れる。同時にロケット研究者のフォラーが残忍な手下を引き連れてインディの研究室を襲撃する。

ダイアルはヘレナが持ち逃げし、闇オークションで売ろうとしているところに、今度はフォラーが急襲、インディはヘレナと組んフォラーが強奪したダイヤルを奪還しようとする。お宝を追跡しながらも武装集団に追われる、このシリーズお約束のパターンを踏襲しながらダイヤルの解読法と欠けたピースを集め、いよいよそのパワーを実際に使う過程は、人類の失われた歴史に触れるようで心が躍る。大男をどうやって倒すのか楽しみにしていたが、機転と敏捷さを生かした戦い方は見事だった。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

ダイヤルを完成させたフォラーは戦前のドイツにタイムリープしようとする。ところがセットした座標はギリシア・ローマ時代のシチリアの有名な海戦。アルキメデス考案の投石機や熱光線などの新兵器が再現され、また当時の兵士たちが飛行機を恐れず攻撃してくるなど合理的な考え方をしていたのが印象的だった。ヘレナがインディの遺骨を古代遺跡で見つけるなどというオチではなくてほっとした。

監督     ジェームズ・マンゴールド
出演     ハリソン・フォード/フィービー・ウォーラー=ブリッジ/アントニオ・バンデラス/ジョン・リス=デイビス/トビー・ジョーンズ/イーサン・イシドール/マッツ・ミケルセン
ナンバー     120
オススメ度     ★★★*


↓公式サイト↓
https://www.disney.co.jp/movie/indianajones-dial