こんな映画は見ちゃいけない!

映画ライター・福本ジローによる、ハリウッドの大作から日本映画の小品までスポットを当てる新作映画専門批評サイト。

バッド・デイ・ドライブ

愛車に爆弾が仕掛けられた。運転席を離れると自動的に爆発する。後部座席には息子と娘が乗っている。そして犯人は奇妙な要求を突き付けてくる。物語は、クルマから離れられない男と、電話で様々な指示を出してくる犯人の虚々実々の駆け引きを描く。犯人はどこからか監視している。行動は計算され予測されている。見せしめに友人が目の前で殺される。2人の子供を守ろうとする男は、犯人の言いなりになりながらも反撃の糸口を探している。その間、口うるさいがよき父であったはずの男の本性が少しずつ子供たちの前で暴かれていく。理想の父親像の崩壊と守るべきものへの責任。従うべきか闘うべきか、その覚悟を決めるまでの葛藤が、人間としての価値を問われていた主人公の強さと弱さをリアルに再現していた。

2人の子供を学校に送るマットは,見知らぬスマホに非通知のコールを受ける。電話の声は散々マットを振り回した挙句、マットと上司しか知らない隠し口座の裏金を送金しろという。

その前に起きた連続爆殺事件の重要参考人としてマットは警察に追われTVにも顔を公開される。だが警察にも子供たちにも事情は話せない。それでも爆弾がスマホで遠隔操作するタイプとわかると圏外に逃げてチャンスをうかがう。今どき大都会に電波が届かない場所などなく、警察を頼るしかないマット。追跡をかわしつつうまく警察の誘導に乗り電波を止めた地区に逃げ込む展開は、素早い判断と行動する勇気がマットをビジネスの世界で成功させた秘訣だと教えてくれる。

◆ネタばれ注意! 以下 結末に触れています◆

マットは不法行為にも手を染めてのし上がってきた投資顧問という設定。意外な犯人と同様に強欲でずるがしこい裏の顔を時折見せるあたり、リーアム・ニーソンがこれまで演じてきたタフな正義漢とは違う一面が見られて新鮮だった。一方で、爆弾の購入から設置までのあらゆる手配をすべてダークWEBに発注してやってもらったという犯人の告白は安易ではないだろうか。そもそも、橋の上で車が横転した時点で重量感知式の起爆装置が働くはずだが。。。

監督     ニムロッド・アーントル
出演     リーアム・ニーソン/ノーマ・ドゥメズウェニ/リリー・アスペル/ジャック・チャンピオン/エンベス・デイビッツ/マシュー・モディーン
ナンバー     220
オススメ度     ★★*


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