2019-01-01から1年間の記事一覧
口八丁手八丁、二束三文のガラクタを高値で売り、珍品逸品は安値で買いたたく。だが、素人相手なら通じる手口も、同業者には通じないどころか逆に足を掬われかねない。物語は、相変わらず冴えない古物商と売れない陶芸家が、今度はシングルマザーと手を組ん…
好景気に浮かれていた。先進国に近づいたと無邪気に喜んでいた。だが実質は外貨準備高が目減りし中小企業の給料遅配が表面化している。なのに政治は手をこまねいているばかり。物語は1997年に韓国を襲った金融危機を、役人・投資家・町工場経営者の視点から…
22人のダンサーが激しくしなやかに踊り狂う。狂乱の中の美しさ、スピーディかつキレキレの動きは人生の喜怒哀楽を表現する。骨が抜けたかのような柔らかな手足の使い方をする一方、全身にバネが入っているかのように感覚に身を委ね飛び跳ねる彼らの身体能力…
鳥の群れのように散開した数十機のドローンが体当たり攻撃を仕掛けてくる。顔認証機能でターゲットを見定めピンポイントで自爆、警備員たちはなす術もなく爆殺されていく。最新のAI技術を駆使した大統領襲撃シーンは近未来の戦場を見ているようだった。物語…
利発で素直だったひとり息子の言葉遣いが突然乱暴になり、態度が暴力的になる。単なる反抗期なのか別に原因があるのか。物語は、思春期を迎えた養子の異変に気付いた両親が彼の暴走を防ごうと奮闘する姿を追う。息子が普通でないと初めから知っていた。だが…
ビジネスで大成功した。TV局も買収し大衆も洗脳した。そして、国家の最高権力者にまで上り詰めた。物語は、スキャンダルまみれだったイタリア元首相の奔放な私生活を再現する。権謀術数に長け、政敵はなだめすかしひとりずつ取り込んでいく。言葉巧みに人心…
狂言かいたずらに決まっている。でも、もし本当だったら寝覚めが悪い。メッセージを見てしまった女優は見知らぬ送り主を探して因習が残る山間部の村に向かう。物語は、芸能界へ進む夢が破れた少女からの遺書動画の真偽を確認するスター女優の心の彷徨を描く…
“50代は人生の絶頂期” そう宣言する2人のオッサンは南欧の名物料理を満喫する。物語は食レポ取材のためにスペインに渡った脚本家と彼に同行する俳優のクルマ旅を追う。英国からフェリーに乗り2人だけのドライブを続ける。観光名所のみならず道中目についたマ…
失くした人はきっと困っているだろう。親切心から地下鉄内で拾ったバッグを持ち主に届けると、相手はとても感じのいいおばさんだった。物語は、母を亡くしたばかりのヒロインが、娘に先立たれた母親に命を狙われる過程を追う。にぎやかな街で暮らしているか…
命がけの戦いで暗黒の未来を変えたはずだった。なのに、代わりに待っていたのは同じような運命。やっぱり人工知能の反乱で人間が狩られている。物語は、タイムリープしてきた殺人マシーンと、将来の指導者を守ろうとする戦士たちの死闘を描く。打撃銃撃など…
小刻みに揺れ時に横倒しになり、近景にピントが合わず色彩がくすんでいく。頭の中で広がりつつある狂気と妄想を反映させた映像には、主人公の苦悩と葛藤が凝縮されていた。物語は、本人の没後人気を得た画家の晩年を追う。夢破れて移り住んだ農村では変人の…
生徒たちの前では大人として振舞っているけれど、未熟なのは自覚している。それを見透かしたように、問題生徒は気持ちをストレートに押し付けてくる。どうしたらいいのかわからないけれど、授業のような教科書はない。物語はハイスクール演技大会の引率を任…
死ぬはずなのに死ななかった。死にたかったのに死ねなかった。過剰な音の刺激に何をしでかすかわからなかった。物語は、精神科病院患者の日常を通じて命の価値と生きる意味を問う。健常者が住む外の世界にはもう居場所がない。同じような境遇の人々と生活し…
野鳥の数が激減している。通信技術の発達で乱立した電波塔から発せられる電磁波が鳥たちの脳機能に影響を及ぼし、鳥たちから空を飛ぶ自由を奪うのだ。物語は、携帯電話の利用を制限しようと運動を起こすが誰にも相手にされず憤死を遂げた鳥類学者が、社会に…
人が抱く恐怖を餌にパワーを増していく純粋な悪意。何が目的なのか、なぜそこにいるのか。死と絶望にとりつかれた妄想が具現化したような “それ” は再び現れて人々を襲い始める。物語は、27年前に7人の少年少女たちが愛と友情で退治したはずのピエロが再起、…
携帯電話があれば簡単にコンタクトできるはずだった。SNSでつながっていればいつでも会えるはずだった。だが運命はふたりを遠ざけ、引き裂き、別々の道を歩ませてしまう。物語は、人生の半ばを過ぎた男女が互いに強烈に惹かれあいながらもすれ違う姿を描く。…
カモメが翼を広げるようにドアが上方に開き、いつか空を飛ぶことができるようになる。引っ越した先の隣人は、夢のクルマに人生を賭けた男だった。物語は、麻薬密輸で逮捕された男がおとり捜査に協力し、伝説の自動車設計者に濡れ衣を着せようと画策する姿を…
妻の浮気を知ってしまった。不貞を働いたのは彼女なのに、離婚すると財産の半分を分与しなければならない。ならばそのカネを妻への裏切りに使ってしまおう。物語は、1か月の間に108人の女を抱こうと決意した男が湯水のごとく散財しながら性体験を重ねていく…
海の奥深さを教えてくれたのはイルカだった。幼いころからダイビングに親しみ、海と海の生き物を相手に暮らしていた男は、水族館でイルカの世話をするうちに彼らが住んでいたより青い世界に興味を抱く。やがて素潜りの醍醐味を覚え、その道を極めようとする…
「白鳥の湖」のメロディに乗せて、傾斜走行し、軽やかな前後ターンを見せ、その場で旋回する。キャタピラーを自在に操りバレリーナのごとき優雅なダンスを踊る姿は、戦車とは思えないほど美しかった。物語は、独ソ戦末期、独軍戦車部隊の演習のために駆り出…
仕掛けてきたのは圧倒的な身体能力を持つ若者。洗練された狙撃の腕前、屋根伝いに駆け猛激走するバイクを自在に操る。その先読みする動きはかつての自分そっくりだった。物語は、伝説のヒットマンが己のクローンと闘う姿を描く。気づかぬうちに遺伝子情報の…
怒鳴ったりしても反感を持たれるだけ。説教なんかしても馬鹿にされるだけ。授業が始まっても席につかず各々好き勝手に振舞う生徒たちに、新任の先生は共感を示し、興味を引く質問をし、なぜなのかを考えさせ、彼らの気づきを待つ。物語は学習困難高校に赴任…
嫁ぐまで夫の顔を知らなかった。婚礼の最中も緊張して体がこわばっていた。そして迎えた初夜、へそのくぼみに落とされた卵黄を夫はひと口で吸いこんだ。翌朝、血の付いたシーツが処女だった証として庭の木に結わえられる。物語は女がまだ父や夫といった男た…
敵は新興宗教を騙った詐欺集団。あの手この手で信者を集めて洗脳し、財産を巻き上げる。彼らに生家の旅館を奪われそうになった女子高生は、汚れ仕事もこなす裏役者集団に守ってほしいと訴える。物語は、ストレスにさらされると失神する役者が潜入調査を敢行…
目にもとまらぬ速さで矢を番え、3本4本と連射する。時に空中で身をひねりながら、時に建物から飛び降りながら弓を引き、迫り来る追っ手の急所を正確に射貫く。物語は中世イングランドで暴れまわった伝説の義賊の若き日を描く。元々広大な荘園を経営する領主…
友人たちの前で爪弾いた「Yesterday」、みななぜか感心して聞きほれている。両親と老人たちにピアノを弾きながら歌った「Let it be」、でも彼らは目を丸くするばかり。物語は、売れないミュージシャンがビートルズナンバーを自作の歌と騙って公表し、スター…
浸水が始まった地下室で目が合ったのは巨大なワニ。ぬかるんだ地面で短い足を回転させながら、天井が低く狭いスペースを這いまわる。地上への逃げ道はふさがれた。ハリケーンによる大雨で水かさは刻一刻上昇する。物語は、河川の氾濫で孤立した一軒家で繰り…
右に進んだ子は無事帰宅した。左に行った子は行方不明になり、ランドセルが見つかった。山奥の過疎の村、情報は住民の間を駆け回りよそ者は常に色眼鏡で見られる。物語は、未解決女児行方不明事件の12年後、別の事件をきっかけに新たな悲劇が繰り返される過…
足元から迫り来る死の霧、生き延びるためにはより高いところに逃げるしかない。クライミングで鍛えていた彼らはわずかな希望を胸に建物の外壁を登り、ロープでビルからビルへ渡り、屋根の上を疾走する。物語は、繁華街で有毒物質を撒きちらす無差別テロに遭…
他人と距離を取って生きてきた。胸襟を開いて語り合える相手はいなかった。なぜこれほどまでに魁偉なのか、なぜ父はいつも話をはぐらかすのか。疑問に思っていたが日常は何事もなく過ぎていく。物語は、人の羞恥心や罪悪感をかぎ分ける能力を持った女が自ら…